わたしのこと その1

「このまま消えたら楽になるかな…」

ある寒い冬の夜、

私はひとり部屋の真ん中で

床にペチャッと座って考えていた。

これまでにも

悩んだことはあった。

それも1度だけじゃなく

何度もある。

いままでは

なんとかやって来た。

人に相談するのが苦手で、

「人に頼っちゃいけない」

「自分で答えを出さなきゃいけない」

そう考える性分で

こっちの道?

あっちの道?

迷いながらも

ぜんぶ自分で決めて進んできた。

だけど

この時ばかりは思った。

「もう無理かも…」って。

なぜなら

もう若くないのに

一度に希望もお金も失ったから…

海外移住を目指して

やっとのことで飛び立ったのに

諦めざるを得なくなってしまったから…

「今度こそうまくいく」

そう思ったのに。

「ここに辿り着くために

 これまでがあったのね!」

なんて思いつつ、

希望に溢れ、

ワクワクを感じてたのに。

「私、もう終わりだ」

本気でそう思った。

グググッと身体の下の方から

湧き上がってくるものがあって

それが顔まで到達したら

涙に変わって外に出てきた。

あの感覚は今でも忘れられない。

「消えたら楽になるかも…」

そうは思ったものの

私には消える勇気もなかった。

それが

不幸中の幸いだったのか、

今日も私はここにいる。

涙を流し倒したあと、考えた。

そう考えているとき

ふと思い出したのが

前にやったことのある

前にやったときは

サラ~ッとやって終わってた。

その時は切羽詰まってなかったから。

でも、今回は違った。

切羽詰まりに詰まっていた。

生まれてから

今日に至るまでを

洗いざらい見直す。

そう決意して、

事細かに書き出して、

見直し、

なにかを思い出しては書き足す。

それを繰り返した結果、

見えてきたのはぜんぶ

だった。

失敗

間違い

逃げたり

拗ねたり

なにかや誰かのせいにしたこと…

「なんてダメなヤツなの…」

「これまで一体なにしてきたの?」

「バカじゃないの?」

自分が情けなくて

悲しくかった。

それに、

すべてが

どんなに願ってもやり直せない

過去のことだった。

だから余計に苦しくなって…

なんとか苦しさを和らげたくて

来る日も来る日も

いろんな言葉で

ネットで検索をしつづけた。

あるかもわからない”答え”を探して。

検索中毒になって、

たどり着いたのが

ぜんぶ終わったと思ったら、