ヤサシイアシタラボ

こんにちは。

カウンセラーの松実沙和です。

愛着障害って？

愛着障害とは【成長する過程で、養育者との間に適切な心理的結びつきを得られなかったことによる障害】のことです。

病気ではありません。ひとつの”気質”、”特徴”と言えます。

”愛着”は生まれてから成長していく中で、養育者、主に両親とのかかわりを通じて獲得する心理的な結びつきのことで、”アタッチメント”とも呼ばれます。

この”愛着”は、私たちにとってなくてはならないものです。

でも・・・どうしてなくてはならないのでしょう？

今回は、その理由を３つに分けてみていきましょう。

①”愛着”は心理的な安心感の源だから

私たちが生まれて最初に深く関わる人というと、言うまでもないですが育ててくれる人、主に両親です。

生まれてきて最初に出会う人、自分を育ててくれる存在との関係性を通して、いろいろなことを学んでいきます。

泣くとすぐに来てくれて、空腹を満たしてもらえたり、おむつを替えてもらったり、抱っこをしてもらえたりすることを通して、揺るぎない安心感を感じられるようになります。

やがて成長すると、これまでは家という世界しか知らなかった子供が外の世界に飛び出す時期がやってきます。

その時に必要なのが、子どもが揺るぎない安心感を感じられる存在、そして場所です。

子どもにとっての外の世界は知らないことがいっぱいで、これまでに経験したことがないことや感じたことがないことに溢れています。不安や怖さを感じることがたくさんあります。

揺るぎない安心感を感じられて、なにがあっても愛情をくれる存在がいることが、思い切って外の世界に飛び出す支えになります。

どんなことがあっても守ってくれる存在がいて、いつでも安心して帰れる家という場所があるからこそ、外の世界で様々な経験をしながら、チャレンジ精神やストレスに耐える力を身につけていくことができるのです。

②愛着形成をとおして人間を信頼できるようになるから

愛着関係が築かれると、子どもは安心して甘えることができます。

甘えることは悪いことではありません。

子どもにとっては甘えることはとても重要です。

甘えたい気持ちを表現して、それを受け入れてもらうことができると、心から安心することができます。

そして、安心感を得ることを繰り返し、人を信頼できるようになっていきます。

さらに、人とコミュニケーションをとることの楽しさや嬉しさを覚えることへと広がっていきます。

愛着関係を築けていないと、そもそも欲求を表現することが難しくなります。

甘えたい欲求を表現してみたとしても、愛着関係が築けていなくて受け入れてもらうことができない経験をしたら、「欲求を表現しても受け入れてもらえない」と学習することで、欲求があっても表現すること自体を諦めてしまうようになります。

甘えたい欲求を表現できること、このこと自体が、実は子どもにとってとても大切なことなんです。

③コミュニケーション能力が高まるから

愛着の関係が形成されると、甘えなどの自分の欲求を表現できるようになるだけではなく、相手から要求されたことを受け入れるようにもなっていきます。

愛着関係があるからこそ、甘えたり、自分がどうしたいかを表現することができます。

そして、それを受け入れてもらうことで喜びを感じたり、人を信じていいと思える、人間に対する信頼感を持てるようになります。

やがて、相手からの要求も受け入れるようになります。

このようなやり取りの中で、自分がどうしたいのか、どうしたら自分の要求が通りやすいかといった表現力を学んだり、相手の話を聞いて納得して相手の要求を受け入れたりと、人とのコミュニケーションの基礎を学んでいくのです。

そして、学びを繰り返していくことが、コミュニケーションの向上に繋がっていくというわけなのです。

”愛着”はなくてはならないもの

いかがでしたか？

＜愛着がなくてはならない理由＞
①”愛着”は心理的な安心感の源だから
②愛着形成をとおして人間を信頼できるようになるから
③コミュニケーション能力が高まるから

こうして改めて見てみると、”愛着”が私たちにとってとても大切なものであることが良くわかります。

ありのまま、そのままのあなたのこと、ネガティブな気持ちや悲しみ、怒りも含めて本当の気持ちを心置きなく話して、それを受け入れられる経験をすることが愛着の獲得に繋がります。

心の拠り所となる存在を見つけて、本当の自分を受け入れてもらう経験を重ねることで、愛着を獲得し直すことができるのです。

今、子どものころに愛着が得られなかったと感じている方や、愛着障害かもしれないと思っている方は不安になってしまったかもしれません。

でも、大丈夫です。安心してください。

愛着は大人になってからでも獲得することができます。

今、あなたが生きづらさを感じている原因、もしかしたら愛着障害のせいかもしれません。

あなたのためのカウンセリングメニューをご用意しています。

相談だけでもお気軽にどうぞ。